米国行き直行便機内への大型電子機器持ち込み制限終了、空港に導入された保安検査技術とは? 23
検査 部門より
運輸保安局(TSA)は連邦捜査局(FBI)などと協力して、実際に2台のデバイスを試作。ケリー氏は爆発物の分量からみて、実際に航空機を破壊できるだけの威力があるとは信じられなかったという。しかし、与圧した本物の航空機を用いて地上で実施した実験では、実際に航空機が破壊されたそうだ。その結果、10空港を出発する9航空会社の運航便について機内持ち込み制限の実施に踏み切ることになる。
ケリー氏は5月、機内持ち込み制限を米国発着の全便に拡大する可能性を示唆したが、6月には保安検査を強化することで制限を撤廃する意向を示していた。7月に入ってDHSの求める保安基準を満たした空港から順に機内持ち込み制限の解除を進め、サウジアラビア・リヤドのキングハーリド国際空港で20日に機内持ち込み制限が解除されたのを最後に機内持ち込み制限は終了した(DHSのファクトシート)。
新しい保安検査の詳細は公表されていなかったが、ケリー氏によればCT技術を使用したものだという。ケリー氏は危険なデバイスを確実に検出できると自信満々だが、「CT」は何かというウィリアムズ氏の質問に答えられず、X線を使用したものだと説明していた。会場に来ていた元TSA局長のジョン・ピストール氏にウィリアムズ氏が話を振ると、ピストール氏は「Computer Tomography (コンピューター断層撮影)」だとあっさり回答。ここでケリー氏はピストール氏を「ナード」と呼び、会場の笑いを誘った。