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プライバシ

通信傍受システム「エシュロン」の存在、スノーデン文書が裏付ける 25

ストーリー by hylom
ビッグブラザー 部門より
headless 曰く、

米国を中心に構築された通信傍受システム「エシュロン(ECHELON)」の存在を1988年に報じたDuncan Campbell氏が、スノーデン文書で存在を裏付ける資料が発見されたとして、過去の報道の裏話や新たに発見された内容に関する記事を発表している。ECHELONは1980年代に存在が報じられたものの、これまで公式に存在が認められることはなかった(The InterceptThe Register)。

母親がアラン・チューリングのもとで働いていたというCampbell氏は、少年時代に英国政府の諜報活動について聞かされており、盗聴用の信号受信基地を偶然発見したこともあるという。Campbell氏は1976年に初めて英政府通信本部(GCHQ)の盗聴活動に関する記事を書いて以来、40年近くにわたって英国政府の諜報活動について報じ続けている。ジャーナリストとして警察の捜査を3回、収監1回を経験。制作にかかわったテレビ番組が政府の圧力で放送禁止になったことも5回あるそうだ。

英国のスパイ衛星「Zircon」計画を調査していたCampbell氏は1987年、Center for Investigative Reportingに招へいされてサンフランシスコを訪れる。その際、ロッキードの元従業員からECHELONの存在を知らされたのだという。1988年に公表された記事は大きな注目を集めることはなかったものの、1999年に欧州議会が懸念を示したことでようやく注目を集めることになった。欧州議会では2011年9月5日、大量情報収集に反対する決議を可決したが、その6日後の9月11日に同時多発テロが米国で発生。大量情報収集を制限するような計画が正式に発表されることはなかったという。しかし、このことがECHELONの存在を裏付けるエドワード・スノーデン氏による内部告発を生むことにもなる。

2014年12月、Campbell氏はスノーデン文書にECHELONの証拠が含まれていないか、The Intercept記者のRyan Gallagher氏に調査を依頼。その結果、ECHELON協定の詳細を含め、27年前の内部告発者の証言を裏付けるGHCQや米国家安全保障局(NSA)の文書が多数発見される。NSAが1966年に設置した包括的な通信衛星傍受プログラム「FROSTING」には、2つのサブプログラムが存在し、「TRANSIENT」ソ連の衛星を対象としたもので、「ECHELON」はINTELSATを対象としたものだという。当時、INTELSATを利用していたのは主に西側諸国で、米国が最大のオーナーであり、利用者でもあった。また、欧州議会のECHELONに対する調査に関する文書ではNSAが欧州諸国を「豚」と呼び、「豚と泥の中でレスリングするな。奴らはそれが好きだが、どちらも汚れることになる」などとも記載されているとのこと。

しかし、内部告発から2年の間に良い方向への変化が加速しているという。5月に開催されたThe Ditchley Foundation主催のカンファレンス「Intelligence、security and privacy」でCampbell氏は、GHCQの局長に就任したRobert Hannigan氏とともに討議を進行したが、公開性に反対する意見を示した人は誰もいなかったとのことだ。

なお、The Interceptの記事とThe Registerの記事は同じ内容だ。ただし、The Registerの記事は6ページに分割されているので、どちらか読みやすい方を選ぶといいだろう。

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  • by Anonymous Coward on 2015年08月07日 7時11分 (#2860335)

    >スノーデン文書が裏付ける

    スノーデン文書って裏付けになるのでしょうか?
    あの文章ってプロパガンダでしょ?

    • by ogino (1668) on 2015年08月07日 7時39分 (#2860337) 日記
      > スノーデン文書って裏付けになるのでしょうか?
      > あの文章ってプロパガンダでしょ?

      なぜプロパガンダだと思うのですか?(思いたいから?) というかプロパガンダで有る無しに関わらず、事実の暴露であれば裏付けにはなるでしょう。

      政治活動をする人間は胡散臭いという政府に都合の良い教育を受けている人には受け入れがたいのかも知れませんが。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        なんで直接自分で見てきたわけでもない情報(どっちも)の信憑性を語れるんですか?
        政府機関だろうが第三者だろうが同じく信用できないのが本当でしょう。
        まぁ、どこの馬の骨かもわからん敵性国家(もしくはそれに準ずる国)の支配下に移って活動してる元諜報部員とかのいうことが100%本当かといわれると、元々の立場をプロパガンダに利用されることは普通にあり得ますね(特に東側)。
        そういう状況まで含めた場合には、どっちの方が「マシ」「正しそう」かは議論できるでしょうが、結局のところ真相は永遠にわからないでしょう。
        歴史なんてのは常に変わり、上書きされていく、勝った勢力(戦争に限らない)が「正義」で「真実」なのです。

        • by Anonymous Coward on 2015年08月07日 10時44分 (#2860427)

          スノーデンが信頼されているのは「答え合わせ」ができるからですね。「スノーデン文書」ってのは「エシュロンはあったんだよ!」っていう話じゃなくて、「○○で▲▲と■■が食事した」みたいな話の集合で、これだと▲▲本人(本国)はスノーデンに会食の事実を伝えていない以上、なぜスノーデンが知ってるのかって話になる。

          エシュロンは日本政府だけじゃなくて、日本企業からも情報を盗んでいて、それをもとにダンピング協定で立件→目もくらむような追徴金、ってのをやってる。日本企業からすると日本国内のカルテルをなぜ外国の司法が知っているのか、って話になるけど、そりゃ違法な情報収集してたらわけない、って話で。逆に、日本側は向うがダンピングとか価格カルテルとかしてきても全くわからないから、一方的にやられ続けているわけで。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            答え合わせといっても、機密内容だろうから、そもそもその事実を認めないはずだ。たとえ真実でもね。

            アメリカ政府が反逆者としてスノーデンを逮捕しようとしてるのを考えれば、すべてではなくとも、多くの重要な機密が含まれてることは確かだろう。
            「いやいや、そんなの偽情報だからどうでもいいぜ」みたいに嘘に葬り去ることさえできないほどの内容だったんだと思われる。

            まぁ日本の政府も企業も、情報セキュリティに関しては甘そうだ。LINEとか普通に使ってそう。

            • by Anonymous Coward

              だから、その多くの機密ってのが答え合わせができる性質のものだと言ってるだろ。読めよ。

        • by Anonymous Coward

          ジャーナリスト不要論

        • by Anonymous Coward

          >歴史なんてのは常に変わり、上書きされていく、勝った勢力(戦争に限らない)が「正義」で「真実」なのです。

          これは歴史ではないけど。
          それに、真実、事実は史観とは別物。
          例えば、南京虐殺の有無とか広島・長崎への原爆投下とかは事実でしょ。

          # しかし、この決まり文句好きな人、多いよね。

        • by Anonymous Coward

          あんた見方が歪んでるな。

          米国は嘘がつけないオバマだから事実上、次々に認めてるじゃん。

          • by Anonymous Coward

            歪んでるんじゃない

            彼は病んでるんだよ

            • by Anonymous Coward

              彼は中二病を患っています。治療にご協力ください

              歴史なんてのは常に変わり、上書きされていく、勝った勢力(戦争に限らない)が「正義」で「真実」なのです。

              映画や漫画のキャラクターのセリフなら含蓄深いけど、現実で神妙な顔をしながら言われると腹筋が壊れてしまう
              彼の黒歴史が早めに終わることを祈りたい

        • by Anonymous Coward

          資料(information)と情報(intelligence)の違いを調べてみてはいかがでしょう。

      • by Anonymous Coward

        >事実の暴露であれば裏付けにはなるでしょう。

        「事実」ならね。
        スノーデン文章に事実が含まれているからって全てが事実である保証はありませんよ?

    • by Anonymous Coward

      個人がプロパガンダドキュメント作ろうとしても、日銀職員の自宅番号まで調べられんだろう。

    • by Anonymous Coward

      スノーデン文書を待つまでもなく、エシュロンあるいはそれに類するようなものは実在し、
      アメリカは世界中の情報を傍受・盗聴してるということは、みんな知ってるよね。

      • Re:裏付け? (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2015年08月07日 10時55分 (#2860431)

        「知ってた」のと「客観的な証拠が出た」のは意味が違う。今までエシュロンの話を暴露していた人はエシュロンが具体的にどんな情報を集めていたか、までは触れられず、その影響という間接的な証拠だった。でも、スノーデンのにはエシュロンが蒐集した内容そのものが含まれているから問題になっている。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        それでもこういう情報は大事。
        裏付けがあればないことにしたい人達の「陰謀論乙」というのに対抗できるからね。

    • by Anonymous Coward

      同感です、「スノーデン文書」ってどの程度、信頼できるものなのでしょうか?
      西側諸国に不協和音を引き起こす情報しか出てこないのもパトロンの意向かと勘繰ってしまいます。

      • by Anonymous Coward

        米国の対応みればわかるでしょ。
        ドイツ、フランスへの盗聴なんて一昔前なら絶対に認めないことも認めてる。
        そんな米国の態度を見ても、まだスノーデン文書を疑うというのは「見たくないものは見ない」ということですよ。
        もう少し客観的、俯瞰的な世界観を持ちましょう。

        • by Anonymous Coward

          他国の盗聴を非難するのは独立した国としては当然のことなんだが、無理に目を瞑って盗聴側を擁護するのはちょっと理解できない。もしかして自分の国が嫌いなのかなと。

          • by Anonymous Coward

            事実を事実として認めるか、認めないかという判断は、擁護するかしないかという判断とは、別物ですよ。
            擁護するかどうかの判断には、好き嫌いの感情を含めても構わないけど、事実を認めるかどうかの判断には、好き嫌いの感情は含めない方がいいと思うよ。

            いま話題になってるのは、スノーデン文書の信憑性は客観的に見てどうか、という判断であって、擁護とか好き嫌いとは関係ない。

      • by Anonymous Coward

        まず、スノーデン文書を嘘だ!間違ってる!と論破したものがいないという事実を見ましょう。
        あなたと同じように疑惑の目で読んだ人が多いにも関わらずです。
        スノーデンが他に方法がないからとロシアを頼ったからって曇ったメガネで見るべきではないでしょう。

      • by Anonymous Coward

        >西側諸国に不協和音を引き起こす情報しか出てこないのもパトロンの意向かと勘繰ってしまいます。
        それはやっている内容がそういう物だったというだけ。
        いや、もっと無意味な本当に個人間の情報なんかも有るのかも知れませんよ?
        でも、それがニュースソースに乗りますか?乗らないですよね?
        それどころかロシアを監視していたってなってもそれはそれでそりゃ有るだろうって思われるよね。

        つまりは、西側諸国に不協和音を引き起こす情報だからニュースバリューが有る。
        パトロン?の意向だとするとそのパトロンなるものから非難は出て来ても、貴方の目には付かないんじゃないかと思うよ。

    • by Anonymous Coward

      一方日本は通信キャリアの不都合な真実を明らかにする専門家を「国が」買収した

      • by Anonymous Coward

        誰と闘ってるの?
        まず自分自身の現実と闘えよw

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