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14200819 story
ソフトウェア

気圧高度計の自動温度補償を使用すると誤った旋回方向が指示されるフライトマネージメントシステムのバグ 19

ストーリー by hylom
ハードウェアも含むバグはなかなかテストが大変そう 部門より

headless曰く、

2017年にバグが確認されたRockwell Collinsのフライトマネージメントシステム(FMS)について、米連邦航空局(FAA)が耐航空性改善命令(AD)を5月20日付で発行している(PDFThe Register)。

この問題は2017年、ボンバルディアCRJ-200型機がカナダ・フォートセントジョン空港に向けて進入復行した際、FMSマップに誤った旋回方向が表示されたことで発覚した。航空管制を行うNav Canadaから報告を受けたRockwell Collinsが確認したところ、同社のFMS「Pro Line 4」および「Pro Line 21」のバグで、離陸時や進入復行時に上昇目標高度を手入力、または気圧高度計の自動温度補償をオンにした場合、事前に設定されていた旋回方向の指示が消えてしまうことが判明する。さらに最短距離の旋回ルートを再計算して置き換えるため、正しいルートが最短距離でなければ誤った旋回方向が指示されることになる。

問題が発生した場合、(自動温度補償をオンにしている場合はオフにしてから)処理(出発またはアプローチ)を選択しなおせば復旧するが、事故の可能性もある危険なバグだ。Rockwell Collinsは2017年にこの問題を運用者へ通知(OPSB: PDF)しており、2018年には航空機飛行規程に追加する高度編集の制限に関するサービス情報と、自動温度補償の無効化を指示するサービス情報を発行している(FAQ)。一方、FAAは本件に関するAD発行へ向けた規制制定案告示(NPRM)を2018年に発行していた。今回のADは6月24日に発効し、Rockwell Collinsのサービス情報に従った対応を12か月以内に行うよう命じている。プログラム修正は行われないようだ。

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  • by Anonymous Coward on 2020年06月03日 7時50分 (#3826456)

    Rockwell Collins は真空管の無線機作ってた昔から製品に改修や改良が入ったり、今回のように運用上の制限事項が生じると bulletin が発行されるんだよな。
    VCSのログみたいにいつ問題が発覚してどのような変更が行われてここに至ったかユーザー側でも全部わかる。

    • by goldenslamber (49013) on 2020年06月03日 21時53分 (#3826973)
      ロックウェルコリンズだからやってる訳ではなく、航空機の装備品として型式認定取ったものに不具合が発生したときにはbulletinを発行する義務があります。エンジンやプロペラは言うに及ばす、シートベルトなんかも該当しますね。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        あー、ごめんごめん。コリンズラジオが作っていた民生品やアマチュア無線機の話よ。
        民生品でここまでやるなら航空宇宙用機材ではどれだけやってるんだろうな、と。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月03日 13時55分 (#3826653)

    運用でカバー!
    …絶対メーデーのネタになるやつだろこれ

    • by Anonymous Coward

      関係者限定の常識化→何故か世間一般の常識扱い→知らん人がトラブル
      は定番ですなぁ。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月03日 7時03分 (#3826451)

    補正では、って思って調べたら
    電子回路業界では補償、って言っちゃうのね

    違和感あるな

    • by Anonymous Coward

      正の温度係数を持つ素子と負の温度係数を持つ素子を組み合わせたり、生じる誤差を逆の特性で打ち消すような動作で補正する場合は補償って言う。

      • by Anonymous Coward

        どちらかにズレるものを打ち消して精度を上げる仕組みだけど、
        それが本当に正しいかどうかは知ったこっちゃねえ。

        ってことなんかな。

        • by donadona (37711) on 2020年06月03日 8時16分 (#3826469)

          うん、回路の世界だと
          補正:センサ情報をつかって正しい値に近づける
          補償:誤差要因を打ち消す特性をもつ要素をつかって値を補う(償う)
          じゃないかなあ。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            今どきの補正は、ファームウェア的に補正テーブルを持って、
            出荷前検査で補正テーブルを書き込みじゃないの?

            • by Anonymous Coward

              補正テーブルって何ポイント分のデータを持たせるつもり?
              3ポイントの補正データを書くためには3温度で測定しないとデータが作れないが
              例えば温度計なら製品を設定温度になじませる時間も回数分の試験コストも必要なのでやっていられない。

              普通は補償回路を入れて特性が直線に近くなるようにした上でオフセット値だけ書き込むもんでは?
              (書き込む値がオフセットじゃないものもあるが試験回数を減らす考え方は同じ)

        • by Anonymous Coward

          もしかすると測定値そのものの補正は「補正」
          測定値を使って他の出力をいじるのが「補償」かもしれない

          温度センサーの「直線性補正」とか
          温度センサー付き水晶振動子は「TCXO(温度補償水晶振動子)」とか

          この高度計も温度という別の測定値で高度表示を変えてる

          • by Anonymous Coward

            自動的に補正する物を補償、校正や調整など手動だと補正って感じ?

    • by Anonymous Coward

      ホワイトノイズでない何かをなおすときに補償っていうかな。
      逆特性を入れる感じ。
      補正とか言われると、思いつきで適当にやりましたって感じだな。

    • by Anonymous Coward

      センサの個体によって誤差の出方が変わらないものには補償(compensate)、
      個体ごとに誤差の出方が異なるものには補正(correction)で使い分けますね。
      この場合は、気圧高度計が温度によって誤差をもつけど、
      どの個体でも同じ温度で同じ誤差がでるため、それを補償するのでしょう。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月03日 9時51分 (#3826504)

    相手先に泊まり込んで、月曜日までに
    修正するのになぁ~

    (妄想)

    • by Anonymous Coward

      翌日朝7時までじゃなくて?
      ホワイトだねぇ。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月03日 20時34分 (#3826943)

    どうせソフトウェアで処理してるんでしょ?
    信頼性の向上に寄与してないと思うんだが。

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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