赤十字国際委員会、サイバー攻撃を禁ずる赤十字・赤新月・赤水晶のデジタル版エンブレム制定を目指す 30
守るつもりのない国が…… 部門より
赤十字国際委員会 (ICRC) は 3 日、赤十字・赤新月・赤水晶のデジタル版エンブレム制定に向けた調査報告書を発表し、支持を呼びかけた (ニュースリリース、 報告書概要、 The Register の記事)。
実世界の赤十字・赤新月・赤水晶エンブレムは、それを装着する者や施設、物資を武力紛争下において危害が加えられないよう保護する必要があることを示し、国際人道法で攻撃が禁じられている。一方、デジタル版エンブレムはシステムが医療施設や赤十字のオフィスであることを明確にし、侵入した軍やその他のハッカーにサイバー攻撃を中止すべきシステムであることを示すもので、国際人道法の枠組みによる保護の対象とすることを目指す。
近年はサイバー戦の能力を開発する国が増加しており、脆弱な医療関係施設や人道支援組織が攻撃の対象になっている。そのため、ICRC ではデジタルエンブレム制定の可能性について 2020 年から調査を行ってきた。報告書にはデジタルエンブレム制定に関する主な利益やリスク、困難がまとめられており、各国や利害関係者との対話や協議を始める第一歩になるとのことだ。