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セキュリティ

電力管理システムを悪用してARM系CPUのTrustZoneをハックする手法が報告される 47

ストーリー by hylom
これは対処しづらい 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ARM系プロセッサに搭載されている電力管理機構「DVFS」の脆弱性を利用することで、CPUに備えられているセキュリティ機構を突破できるという報告が出ている(the morning paperUsenixSlashdot)。

DVFSは、システムの状況に応じて動作クロックを変えたり、回路ブロックごとに電源のON/OFFや電源電圧を動的に変動させることで消費電力を削減するというもの(マイナビニュース)。今回報告されている脆弱性は、プログラム側で特定のパターンの負荷を与えることでDVFSによる回路ブロックの電圧変動を発生させ、それによってプロセッサの回路に意図しない動作を起こさせるというもの。これによって別のスレッドの実行結果に干渉することができるという。

報告では、ARM系プロセッサに使われているセキュリティ機構の「TrustZone」(PC Watchの解説記事)で保護された領域から秘密鍵を抽出、Trustzoneに自己署名コードをロードして権限昇格ができるとしている。ARM Trustzoneだけでなく、Intel SGX(ソフトウェア保護拡張)でも同様の問題があるようだ。

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  • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 18時51分 (#3286687)

    トランプ大統領の意向でMIPSは中国企業ではなく米国企業の傘下となることが決定

    http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/122200045/091400099/ [nikkeibp.co.jp]

    というニュースもあり、
    CPUのアーキテクチャそのものが今までよりもさらに政治色が強いものになってきています

    長期的に見ると米国、欧州はMIPSとINTELを、中国、アジア新興国はARMを多用していくようになっていくのでしょうか

    • いや、龍芯はMIPSアーキテクチャよ。一応。
      兵器の一部にImaginationIPが使われてたとかじゃない?

      アーキテクチャ自体は、そんな政治的な案件じゃない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        > いや、龍芯はMIPSアーキテクチャよ。一応。
        > 兵器の一部にImaginationIPが使われてたとかじゃない?

        という「政治的そのもの」な話に続けて

        > アーキテクチャ自体は、そんな政治的な案件じゃない。

        なんて書かれてもまったく説得力がないんですが、、、

        自分がなにを書いているかくらいは一貫してもらえないでしょうか?
        それもできないようでは、周囲からは必死な信者/アンチとしてしか見てもらえませんよ

        そのうえで、
        「(トランプという)アメリカ大統領が直接示した意向で」なのですから、政治的以外の何物でもありません

        • いつもの人かな?アーキテクチャの信者って何よ、アハハハ

          Imaginationが持っているのはMIPSアーキテクチャではなく、ライセンスを受けて設計されたMIPSコアのIP。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            > いつもの人かな?アーキテクチャの信者って何よ、アハハハ

            なんだ、図星突かれたとたんに茶化して逃げようとしだしたか

            > Imaginationが持っているのはMIPSアーキテクチャではなく、ライセンスを受けて設計されたMIPSコアのIP。

            2013年2月8日付でMIPSテクノロジーズ自体がImaginationに身売りしている

            こういう人が火消しに出張ってくるってことは、今回の件がARMにはとんでもなく都合悪いってことだな

            • すまぬMIPSテクノロジーの件は把握して無かった。
              でも見えない敵と戦うのは感心しないな。

              親コメント
              • by Anonymous Coward

                > すまぬMIPSテクノロジーの件は把握して無かった。
                > でも見えない敵と戦うのは感心しないな。

                見えない敵と戦ってるのはお前だけ
                だからMIPSテクノロジーズ売却のこともすっぽかして頭ごなしに見えない敵に対して攻撃的になり間違いを犯し、
                挙句にそれでも相手のほうがもっとダメな奴だってことにしようとしてる

                典型的な信者/アンチの異常思考そのものだ

              • by Anonymous Coward

                これはイタイ

  • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 19時31分 (#3286734)

    iOSでの指紋認証(情報格納も含む)などセキュリティ系機能で使用されているSecureEnclaveも
    実装のベースはTrustZoneであることが知られています

    ttps://applech2.com/archives/47760373.html

    > Secure EnclaveのベースもARMのTrustZoneということがFortiGuardで解説されている

    つい先日、iPhone5SにおけるSecureEnclaveのファームウェア復号鍵が判明&流出するという騒動がありましたが、
    その時点で今回のような手法が使われていた可能性がありますね

    また、今回の情報が大々的に知れ渡った後では、
    全世界で徹底的にSecureEnclaveに対する攻撃手法として使用されるでしょう

  • ちょっと冷静になってUSENIXの実際の要約 [usenix.org]を見ると

    >We show that a malicious kernel driver (1) can extract secret cryptographic keys from Trustzone, and (2) can escalate its privileges by loading self-signed code into Trustzone.

    と書いてある。悪意のあるカーネルドライバーがTrustZoneに侵入出来てしまうことを実証したと。

    つまり、まずは悪意あるカーネルドライバーを仕込めるところまでOSのセキュリティを破らないと、今回の攻撃は成立しないわけだ。
    そりゃそうだよね。この攻撃はCPUの電圧と周波数を自由に操ってSecureZoneへの入出力にエラーを起こすのがミソなのだが、さすがにそんなことをユーザースペースからやらせてくれるほどUnixのセキュリティは甘くはない。

    ということで、リモートのコード実行バグと権限上昇バグを組み合わせてrootを取り、カーネルにドライバーを仕込むところまでやって、初めてリモートでSecureZoneへの攻撃が出来るということになる。
    まあ不可能じゃないし、深刻な脅威ではあるが、今すぐスマホを投げ捨てるような話でもなさそう。

    • by Anonymous Coward on 2017年09月28日 0時47分 (#3286957)

      > ちょっと冷静になってUSENIXの実際の要約を見ると

      その前に今回の研究成果を発表してる動画とか見たほうがいいよ

      まず最初にあるのは、スマホを開腹して動作しているときに物理的に電力その他に介入すること
      これは「Physical fault attacks」と表現されている
      こちらが成立するのは前提となっている

      その後、発表動画の内容は(9分ちょうど付近で)
      「では、物理的には介入しない場合にも攻撃は成立するのか?」という話になっていく

      で、ここで発生する問題はぱっと考えたとき以下の3つ。当然他にもいくらでもあるだろう

      ただし、「まず物理攻撃のほうをやれば強制ロック解除でも強制ファームダウンでも何でもできる」というところは
      今回の論文の内容から外れるのでいったん無視する

      1:iPhoneを盗まれた、紛失して誰かに拾われたとき、半年~数年経過する間にiOSのロック強行突破と新脱獄手法が見つかる

      iOSのロック強行突破や新脱獄手法は延々と見つかってはつぶされを繰り返しており、
      長期的に見ると盗まれたiPhoneのロックを悪意ある者に解除され、脱獄されることは当然あり得る
      (というか発生する前提でいたほうがよい)

      本来であれば、それでもSecureEnclaveやTrustZoneの内容は守られているはずであったところが、
      今回の脆弱性を使ってそこが破られ、指紋認証情報やApplePalyの金銭アカウント情報に直接アクセスされることになっていく

      iPhoneが電波が入らないよう細工された状況に置かれている場合、遠隔ロックや強制クリアも利かない

      上記のような問題は、Androidでも同様の部分についてありえる

      2:IntelSGXなどのほうでは、今度はすべての端末で同じデータが入っている箇所が危機にさらされる
      暗号化されているべきコンテンツの復号鍵とか
      この場合、端末自体は悪意あるものがすでに支配下に置いており、攻撃対象はTrustZone、IntelSGXの領域となる
      一回でも漏れたらすべておしまい

      つい先日起きた「iPhone5SのSecureEnclaveのファームウェア復号鍵が判明してネットに流出する」もこれに類する話であった可能性がある

      3:遠隔攻撃からの発展性

      iOSでは以前「このPDFを開くだけで脱獄される、このサイトを開くだけで脱獄される」などが実際に存在した
      また、ソフトバンクの孫正義は
      「IoT時代に、IoT機器に脆弱性があり遠隔攻撃で内部にアクセスされたとしても、TrustZoneがあればその内容は助かる」と公式プレゼンで言及している

      ところが今回のような話があると、遠隔攻撃で脱獄される/IoTデバイスのroot権限(とか、その辺)をとられるというケースでは
      SecureEnclaveやTrustZoneの中まで危険にさらされることになる

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      問題は一部のスマホにしか
      セキュリティパッチが速攻で
      降ってこないことなんですよねぇ

      それ以外のとこ使ってると
      ドンだけやばい穴でも3か月後とか
      居ないものにされるとか

      # 通勤のお供BTイヤホン封印中><

      • by Anonymous Coward

        論文でも明記されてるが、
        問題はARMのTrustZoneそのものにあるのでソフトウェアでやれることなんて大して存在しない

        利用者が短期的にできることは、
        TrustZoneやそれに類する実装に頼った部分はそもそも使わないこと
        iPhoneでもAndroidでも同様として、指紋認証とかApplePay/AndroidPayとかその辺
        iPhoneXのFaceIDも多分同様に避けたほうがいい

        長期的には、TrustZoneやそれに類する実装に頼った製品は使うのをやめ、そうでない製品にすること
        たとえばTPMチップを省略するためにTrustZoneを使っている製品は使わず、TPMチップを積んだ製品にする

  • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 18時33分 (#3286671)

    現時点でUltra HD BDをPCで再生するための条件の一つだった記憶があるのですが、
    これでPCのでの再生はダメってことになったりするんでしょうか。

    ダメになっても影響のある人はあんまり居ない気もしますが。

    • by Anonymous Coward

      魔法の箱とかDeCSSとかSoftCASとかでてもスルーですよね

      正式利用の利権が抑えられれば
      破られようが何だろうが
      知ったこっちゃないんでしょう

      UHD円盤なんて極一部のマニアしか手を出さないものなんで
      正直どうでもよくないですかね

      #「権限昇格ができる」という危険性よりも重要なのだろうか

  • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 19時47分 (#3286743)

    ソフトバンクがARMを買収した際の報道
    ソフトバンク系マスメディアであるアイティメディアの記事に、以下文章ならびに専用のスライドまで存在することが明記されている

    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1607/21/news136.html [itmedia.co.jp]

    > これがARMを買収した孫社長の未来予想図だ。
    > このとき最も重要となるのがセキュリティ。全てがインターネットでつながったとき、
    > 起こるであろうXデ―をARMであれば防げるという。どういうことか。
    >
    > 実はARMにはTrustZoneというテクノロジーがある。
    > これは、ハードウェア、サービス、製造に関する細部に配慮したセキュリティシステム。
    > ハードウェアごとに異なる鍵を持っていることが最大の特徴で、
    > インターネットから入れない仕組みになっている。
    >
    > ARMを買収したのは半導体会社だからではない。
    > IoT時代のプラットフォームを提供しているためだ。

    孫正義自身がARMを買収する大きな理由にし、周囲に対して大々的にアピールしていたTrustZoneがこんなことになるなんてねぇ、、、

    これにより既存のARMチップ搭載機器のセキュリティに対しての懸念が沸き上がると同時に、
    将来的な機器へのARMチップ搭載についても再考慮が必要になっていくのは間違いないね

    また、上記ページには以下の興味深い一文がある

    > ARMは1個目の試作品から省電力を実現。
    > ピンを電力回路につなぎ忘れたのに、漏れた電力で動いてたという偶然の出来事だった。

    今これを読んでみると、
    その漏れた電力を悪意あるものに制御されたら?という観点での考慮ができておもしろい

    • by Anonymous Coward

      そもそも量子コンピュータの実用化がなんとなく見えてきたような感じがしないでもない現状で、
      既存のセキュリティ機構が何十年も先に価値があるのか、かなり疑わしいと思うけど。

    • ソフトバンク系と言えるほど資本入っているかねぇ?

      箱崎時代まではソフトバンクの中に出版事業部があったけど、その後ソフトバンクパブリッシングとして赤坂に移転して、それ以降パブリッシングのフロアで社長見てない(逆に言うと、株式公開を果たした浜町や箱崎時代は社長が部署の説明をしている現場を何度も見ている)。

      • by Anonymous Coward

        アイティメディアの主要株主はSBメディアホールディングスで、株式の52%(2017/3時点)を握っている

        一般的な表現に沿ってもソフトバンク子会社と言って差し支えない

  • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 21時55分 (#3286840)

    電力系問題だと実際のウェハの回路状態に影響をうける気がするけど
    どこのchipでも脆弱性をもつのかな。

    なんだかんだセキュリティ関連はハードマクロしか使用してないの?

    • by Anonymous Coward on 2017年09月27日 23時38分 (#3286917)

      > 電力系問題だと実際のウェハの回路状態に影響をうける気がするけど
      > どこのchipでも脆弱性をもつのかな。

      今回の問題につながるほどアグレッシブな制御にしていると問題が起きる
      まずここで「突き詰めすぎた省電力動作による、セキュリティ面での落とし穴」という内容で言及されている

      さらに悪いことに、TrustZone(やそれに類する実装)固有の問題がある

      TrustZone(やそれに類する実装)は
      通常のマルチコアシステムにおいて
      実装を工夫することで特定のコア上+特定のメモリ上ではセキュアなモジュール、データだけが動作するという仕様で、
      専用のセキュリティハード不要、消費電力でも有利とARMは強く喧伝していた
      また、ARMを買収したソフトバンクもここを強くアピールしていた

      appleはTrustZoneをベースにしたScureEnclaveを実装してそこに指紋情報など重要な情報を格納している
      Intelの話は詳しく調べていないが暗号化されたコンテンツの復号鍵や復号したデータの一部などが格納されているはず
      ソフトバンクとしてはIoTにおける様々な情報のうちセキュリティが重要な情報はここで扱うのだと明言している

      ところが今回のような問題がおきると、
      それは「セキュアなモジュール、データだけが扱うはずの領域」を周囲の通常のモジュールが盗み見できてしまうことになる

      今このストーリーの中で「今回の件はARMだけに限ったことではない!!」と叫んでいる奴がいるが、
      TrustZoneやそれに類する実装の部分についていえばARMに限ったもので、
      そこが一番重要で重大
      もちろん攻撃する側もそこを全力で狙う

      全体としてどう対処するか?というと、

      根本原因は放置しつつ対処療法で省電力の程度を妥協して問題が起きづらくする
      (もちろんこれは消費電力の増加や性能低下につながる)
      か、
      セキュアな機能はやはり別ハードウェアにする
      (するとARMの存在価値そのものが大きく減少する。これはARM買収時に孫正義が強くアピールしていた価値がなくなることと等しい)

      どちらかになる

      どちらにせよARMというアーキテクチャの大きな特長そのものにセキュリティ嫌疑がついたということで、
      これからいろいろあれそうではある

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      > なんだかんだセキュリティ関連はハードマクロしか使用してないの?

      そうなんじゃね。セキュリティは素人が触っちゃいけない分野だし。

  • しっかりログとってるとやはり面白い

    工作員の活動がApple、iPhone、Mac、ソフトバンク、ARMなど特定のところに偏ってるのがとてもよくわかる

    • by Anonymous Coward

      このコメントの時点で -1 モデは 3 箇所。
      その内キミのコメントが 2 つ。
      それで工作とやらを見抜く()とは、すばらしい超能力で。

    • by Anonymous Coward

      >しっかりログとってると

      スラドの生アクセスログでも見たんですか?

  • by Anonymous Coward on 2017年09月28日 1時10分 (#3286966)

    同じコアでセキュアなコードをというのは常に問題がつきまとう。それなら別のコアで実行すればよいのではと誰もが考える。
    bigLITTLEやSocionextの24コアARM CPUなど、ARMの世界でも将来的に代替として転用できるような技術が実用されている。そろそろTrustZoneの後のことを考えたほうがよいのかもしれない。

    # しかしそれでも共有されたキャッシュなどの攻撃対象は残り続けるのだろうなあ

    • by Anonymous Coward

      ARMが特許で押さえていない範囲になったらARMの存在価値が激減する

      ARMとしてはどれだけ問題があろうがTrustZoneやそれに類する実装を続けていくしかないし、
      TrustZoneを根拠にIoT向けでARMが普及すると言って3兆円出した孫正義としても引くわけにはいかないだろう

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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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