欧州航空安全局、ポータブル電子機器の機内持ち込みが禁じられている場合の安全対策を勧告 16
勧告 部門より
米国と英国が中東からの直行便でスマートフォンよりも大きなPEDの機内持ち込みを禁止したことから、中東の航空会社ではビジネスクラス以上の乗客に対し機内で使用するノートPCなどを貸し出す動きが広がっている。一方、乗客が所有するPEDは預入手荷物に入れることになるため、リチウム電池(リチウムイオン充電池)を含む多数のPEDが貨物室に保管される可能性も出てくる。リチウムイオン充電池は衝撃などにより発火する可能性もあるが、預入手荷物は丁寧に取り扱われるとは限らない。客室内であれば発火時の対応もしやすいため、英パイロット協会では2015年にリチウム電池を機内持ち込みにすることを推奨している。
EASAではリチウム電池を含むPEDは機内持ち込みにすることが望ましいとしつつ、機内持ち込みが禁じられている場合には、以下のような対策を行うよう勧告している。航空会社がPEDを預入手荷物に入れる乗客に伝えるべき注意事項としては、PEDの電源を完全に切る、運搬中に誤って電源が入らないよう保護する、破損しないよう適切に梱包するといった点を挙げる。また、搭乗ゲートでPEDを回収する場合にも預入手荷物と同様の注意事項を適用することや、貨物室で一か所に集めず分散して格納すること、その他の危険物から離して格納することなども求めている。
なお、スペアバッテリーやモバイルバッテリー、電子タバコなどについては国際民間航空機関(ICAO)規則により預入手荷物に入れることが禁じられている。そのため、これらの物品の機内持ち込みが禁じられている場合には、一切持ち運べないことを事前に乗客へ伝えるべきとのことだ。