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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
民生品 (スコア:1)
戦争が商売の国だからなのか?
Re:民生品 (スコア:0, 興味深い)
チャリオット、騎兵、歩兵の3つを比べると、強さはチャリオット>騎兵>歩兵です。チャリオットは自分で手綱を取る必要がないので、騎兵より多彩で強力な攻撃が可能ですし、騎兵と歩兵の強さを比べるなど論外です。しかし、実際の戦術史ではチャリオット時代がもっとも古く、騎馬、歩兵という順で進化しています。それを支えたのは、「騎兵でチャリオットと互角に戦える馬具の発明」「歩兵で騎兵に対抗できる長槍の発明」など、技術革新があったのも確かですが、その技術革新によって得られる量的な利こそが魅力だったわけです。
チャリオットは洋の東西を問わず全世界で広く使われた優秀な兵科でしたが、車を引くだけの馬を維持しなくてはならない、という欠点がありました。それゆえ、チャリオットを持つのは、一部の貴族階級に限られ、その非生産階級は武芸の鍛錬に明け暮れて兵士として特化していく、というサイクルで社会が成り立っていたわけです。ラーマ王子やクー・フーリンはこういう背景を反映した英雄です。このシステムでは、偏差値の高い個人が、戦況全体を左右する、といのも強ちありえない話ではありません。しかし、そのチャリオットも騎兵に完全に取って代わられました。理由は『孫子』にもあるとおり、チャリオットを1台用意するより、騎兵2ユニットの方が経済的に安かったからです。一部の戦場では指揮官の優劣や地の利の問題で勝ち負けがあったかもしれませんが、総体で考えるなら、騎兵の方が圧倒的に有利でした。したがって、チャリオットに依存した社会システム(少数精鋭・英雄育成)をとっていた地域は騎兵を持つ勢力に次々と敗れていったわけです。
騎兵→歩兵の流れも同様です。騎兵は人間よりも体の大きい馬を養わなくてはならない、という制約があるので、槍と盾の一揃いで市民から兵士に早代わりできる歩兵の量と対騎馬戦術に対抗しきれなくなり、歩兵の無敵時代が到来するわけです。この状況は弓→銃の技術革新でも変わりません。銃は単純に威力と射程があるだけでなく、訓練期間の短さが傑出していました。エドワード黒太子率いるイングランド軍長弓部隊は、骨格が歪むほどの訓練を課していたといいますから、弓兵は農耕民族にとってチャリオットと同じ社会的な欠陥を内包していたわけです。そこをクリアしたのが銃器を貸し与えられた農民の部隊です。近代的な意味での徴兵制や、現代の「ロケットランチャーを撃つゲリラ」という戦術選択の背景には、この技術主導による兵科革命の恩恵が入っています。
話を元に戻すと、軍事の民間依存は歴史的に見て極めて真っ当な方向であり、必然です。米国が衛星を持つ民間企業に軍事利用を要請したのも、時代の流れでしょう。余裕のあるうちはどうとでもできますが、そっちの方が強い国なのだから仕方ありません。イデオロギー的な面からは、軍事と民生は明確に分かれている方が好ましいという向きもあるでしょう。しかし、社会学的な法則というのは厳しいもので、「やらなければ負ける」のですから、いかんともしがたいのですよ。現在の対テロ戦争は、圧倒的な軍事「予算」がアメリカ軍を支えています。これは、ある意味キレイな戦争ですが、今後、第二次対テロ戦争、第三次対テロ戦争、と続いていった時に、今の効率でやっていては国家予算が持ちません。どこかで、「予算対決」ではなく、「生産力対決」に切り替えないといけないのです。
「装備のコストダウン」は国運を賭けた至上命題であり、アフガン戦以降の世界情勢の要です。ここだけは、どんなにいい作戦を立案しても、巧妙な政治的駆け引きを成立させても絶対に覆すことのできない最重要ポイントですから、「効率」の点で弱みを見せたままだと、遠からずテロ組織に屈することになるでしょう。継続的な不正規戦が常識となった現代の対テロ戦争では、ロケットの数や軍人の数は問題ではありません。ゲリラを掃討し、戦線を維持するのに要するトータルコストの逆数としての「量」だけが問題なのですから。
Re:民生品 (スコア:1)
ま、ちょと冗長だったかもしれませんけどね
Re: (スコア:0)
「チャリオット、騎兵、歩兵」なんて語られてもな。
騎兵=>ヘリコプター部隊
歩兵=>普通に一般歩兵
っていう用語が現代戦では普通でな。
# っていうか、この中じゃ騎兵最強だろ?
じゃあ「突然話に出てきたチャリオットって何だ?」と思うわけで。
# スタンドかよ
古代のチャリオットとか、騎兵とかの話をしたいなら、
最初にそう書いてもらわないと。
# しかも長文で、結局「コスト」の話ですか。
Re: (スコア:0)
でも本人はそれが一番書いてみたかったという熱意は伝わりました。
ただ、うかつにも読んでしまった俺には時間の無駄でした。